December 01, 2007
「合唱」について考える
先日、品川区立浜川中学校の開校60周年式典及び祝賀会に招待されて参加してきた。
長女、次女が卒業し、現在三女が通う中学校である。元PTA会長という肩書きでの招待である。本来であれば現役のPTA会員でもあるため、お手伝いをしなければならない立場であるが、現役PTA会員の立場は女房に任せ参列してきた。
10年前、50周年の式典の時は、PTA会長として準備に1年をかけ苦労して開催した。そんな思いもあり関係者の方への感謝の意味もこめてお祝いを懐に出席したのである。
浜川中学は以前大変に荒れた学校であったと言う。(私がPTA会長の時にはかなり落ち着いていたが、)校内暴力がはびこり授業がまともに出来ない状況が数年続いた。それを改善したのが、地域の「青少年を明るくする会(青明会)」と「合唱」である。一人の音楽の先生が荒れた学校の中で、合唱を指導していった。20年前のことである。それが、今では「挨拶」と「合唱」の浜中といわれるまでになった。入学式、卒業式、記念式典には必ず合唱を行なう。年に一度合唱コンクールも開催されている。
そして、1年生より2年生、2年生より3年生とレベルが数段上がっていく。小さな歌声が学年が上がるに従い自信のある大きな歌声になっていく。
合唱が子ども達の連帯感を生み、他のクラスに勝ちたいという競争心に火がついて努力を惜しまず練習に精を出す。そして、歌い終わった後は充実感で皆の顔が輝いている。特に卒業式の合唱は聞くほうも歌うほうも泣きながらの大団円になるのだ。
もちろん60周年の式典でも1年生から3年生までの合唱を聞いた。
そして、圧巻だったのは祝賀会で披露した教員とPTAによる今回限りの混声合唱団である。
今日1日のために編成された即席の合唱団であるが、校長から新人の教員、PTAの会長から若いお母さんお父さんまでが、何度か集まって練習をした成果を披露したのだ。
モンスターペアレントや不良教員など世間を騒がせている学校が多くあるが、ここ浜川中学校は大変に仲がいい。教員とPTA、学校と地域、先生と生徒と大変に良い環境である。
荒れていた時代が嘘のようだと古い卒業生は感心する。合唱が学校を、生徒を、教員を変えていったのだ。それがよく分かる。
1つのことを継続して伝統にしていくのは口で言うほど容易いものではないと思うが、浜中は合唱を通して学校改革を見事に行なった。そして、立派な伝統となったのだ。
今日の合唱を聞かせてもらって心の底からそう思った。