October 17, 2006

アメリカへ8

シアトル街1彼が案内してくれたのは何と回転寿司屋であった。最近ではシアトルでも大変人気があるという。その言葉通りまだ早い時間であったが、店はすでに満席状態であった。15分くらい店の中で待ち席に座る。私はビールを頼んだが、彼は水でいいという。「おい、どうしたんだ。あれほど酒が好きでよく一緒に飲み歩いたじゃないか?今日は積る話もあるし飲み明かそうと思っていたんだぞ」そういうと彼は「悪いな。実は酒を止めたんだ。」とポツリと言った。
どうも様子が変だと思っていた。自宅で家族を紹介してもらい夕食を一緒に食べるのかと思っていたのだが、二人でカウンターの前で回転寿司をつまんでいる。彼から今までの状況や家族のことを残らず聞いたが、ここでは省略させてもらう。
ただ言える事はあれだけ好きだった酒をピタッと止めたというのは、相当な覚悟だと言うことである。
長男は今消防士か警察官を志望して勉強しているとのことであった。アメリカでは消防士と警察官と言うのは命を賭けた職業だという。もちろん日本でもそうであるが、アメリカは日本の何倍も過酷なようだ。
彼の話を聞いていろいろなことを考えさせられたが、酒を絶ち、竹刀を振ってアメリカでも九州男児の意地を見せている彼には敬服した。
私ならすぐにでも日本に逃げて帰りたくなるが、彼はアメリカに踏みとどまり日本男児の気概を見せているように感じた。

回転寿司を握っているのは、ほとんどがメキシコ人だという。カウンターの中のチーフは日本語も上手で寿司屋の意気のいいところを真似ていた。ネタは海が近いせいかなかなか良く、美味しかった。
彼が今日は家に泊められなくて申し訳ないと言って空港近くのモーテルに案内してくれた。
「こういうところもアメリカらしくていいぞ」と言ってチェックインを済ませてくれたが、「おい大丈夫か」というと明日の朝迎えに来るからそれまでゆっくり休んでいろよという。
二人で部屋に入り少し話をして彼は帰っていった。
シアトルモーテル
2階建ての長屋のようなモーテルの窓は簡単に壊せそうだし、ドアも弱そうだ。この場所がどのあたりかもよくわからない。彼が明日何かの都合で来れなかったらどうすんだよ。そんなことを考えていたが、彼が言うようにまあこれも経験だと思うと何だかモーテルに1人で泊まるのも楽しくなってきた。

アメリカに最初に来た時にはYMCAに泊まったが、ここも凄かった。部屋にトイレもシャワーもなく、男性、女性で階が分かれていてその階の奥に共同のトイレとシャワーが付いている。夜にトイレに行くと素っ裸の黒人や白人がうろうろしている。シャワーといってもトイレの横に3つあるだけで更衣室もないのだからみんな裸でうろうろしているのも当然だ。その時のことを考えれば、まあ快適な部屋である。ただ、いつ強盗に襲われても不思議はないような木造の2階建てである。

しかし、いつの間にか朝になっていた。疲れていたのと酔っていたのとで横になったらすぐに寝てしまったのだろう。昨日の心配は全く杞憂であった。私はどこでも良く眠れる。酒が入ればなおさらだ。外を見ると今日はよい天気になりそうである。
しばらくすると彼が迎えに来てくれた。「よく眠れたか」というので「あっという間に朝になっていたよ」と答える。

空港まで彼に送ってもらい、チェックインも済ませてくれたので助かった。二人で軽く朝食をとり別れたが、彼は私の姿が見えなくなるまで見ていてくれた。再会を約束したが、いつ実現するかわからない。強行スケジュールの2日間であったが、大変に有意義な時間を彼と持てたことに感謝をした。


cpiblog00620 at 20:46│Comments(2)TrackBack(0)clip!アメリカ合衆国 

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この記事へのコメント

1. Posted by 関根   November 21, 2006 22:46
y君と会ってもらってありがとうございました。
彼とは、11月4日に一緒に国士舘大学に稽古に行きました。
相変わらずエネルギッシュな剣道で、感心しました。
らしい剣道・・とでも言いましょうか。
もう少し7段らしい剣道をするようにアドバイスしました。
三浦君は忙しいようですね・・頑張ってください。
私のほうは、マイペースで稽古してます、息子も3月には五段挑戦です。
2. Posted by 三浦尚城   November 22, 2006 09:57
Y君とは11月2日に大串先生の家族も交えて楽しく飲みました。また、アメリカで活躍中の藤井先生(書道家)を紹介され、本日会うことになりました。
Y君も剣道を通じて幅広い人脈があり元気に活躍しているので頼もしく思いました。

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