October 06, 2005
熊本帰省2005 黒川温泉1
しかし、熊本県と大分県の境にある黒川温泉は交通の便が悪く、以前は過疎の温泉地であった。その将来を危惧した新明館の御主人が自ら露天風呂を掘り、それを温泉街全体に広め、尚且つ露天風呂を地形的に掘ることが出来ない旅館のために「入湯手形」を開発した。これは黒川温泉のどこの旅館でも3回まで温泉に入ることが出来るという手形で、これがまた人気を呼んでいる。
要するに黒川温泉全体が1つの大きな宿であり、それぞれの旅館は離れであるという考え方だ。これは素晴らしい発想だと思う。どうしても自分の旅館がよければという発想になってしまう。他の旅館はいわゆるライバルだからだ。少ないお客を取り合うという考えに立つとどうしても自分中心になってしまう。
それをこの温泉は、全部で1つだという考えに立ち、それを皆が受け入れたところにすごさがある。どんなことでもひとつにまとまるというのは大変なことである。
だから、黒川温泉は統一が取れている。多少のばらつきはあるが、どの旅館に泊まっても、料理やサービスに大きな隔たりがない。そして、それぞれのリーフレットも調和が取れている。もちろん好みがあるので違うだろうが、私が泊まった4つの旅館は満足のいくものであった。
黒川温泉には現在24の大小の旅館があり、私は30年近く前「やまびこ旅館」に初めて泊まった。その後「黒川荘」、「いこい旅館」そして今年は「南城苑」にお世話になった。
「南城苑」には駐車場がない。すぐ前に温泉共同の駐車場があるが、大変込んでいて並んで空きを待たないと駐車できない、しかし、言われたとおり旅館に電話をすると、すぐに旅館の方が来て運転を変わり、荷物を持って部屋に案内された。これだけ人気になっても温泉全体が1つの旅館だと言う気持ちがあるのだろう、皆が協力してお客をもてなしてくれる。黒川温泉は熊本の誇りだ。(贔屓しすぎかもしれないが、私は好きな温泉だ)
部屋で浴衣に着替えて4人で入湯手形お持ちいざ温泉街へ。