April 02, 2012
心のビタミン 読書考2「凍った地球」
読書考2で取り上げるのは、この1冊だ。
「凍った地球」スノーボールアースと生命進化の物語 田近 英一著 2009年新潮社発行
私は、宇宙や地球また生物の進化に関する著書に大変興味がある。今までも地球や宇宙に関するいろいろな書物を読んできたが、この「凍った地球」は表題を見たときにこれだと思った。それというのも何年か前にテレビ番組で地球の進化に関するドキュメンタリーを放送していたが、その中で地球が徐々に現在のような緑豊かな温暖な星になって行ったのではなく、何度も過酷な気候変動を繰り返し、現在に至っているというところに大変興味を惹かれた。今私達が住んでいる温暖で青い海に囲まれた平和な気候は一時的なものなのだ。いつまた地球が荒ぶれた素顔を見せるか知れない。その片鱗を3.11の東北大地震と津波で私達は目の当たりに見せ付けられた。しかし、それはまだまだ地球の微笑みの範囲なのだ。この地球は過去に何度か全球凍結(スノーボールアース)という過酷な気候を体験している。そのたびに生命は絶滅したのだろうか? そしてまた生命が誕生したのだろうか? その謎を解き明かしてくれるのではないかとこの書籍を手にした。
プロローグの中で著者は言っている。「今地球の温暖化が騒がれているが、温暖化は人類社会にとっての大いなる脅威なのであって、地球にとってみれば過去に何度も経験してきた気候変動のひとつにすぎない。地球は現代の温暖化よりもはるかに過酷な気候変動を、これまで何度も経験してきたのである。」
よく地球に優しくという標語が使われるが、人類に優しくというのが正しい言い方なのである。地球という生命体はタフな生命体である。その中で生きている生命もタフでないと生き残れない。「強いものが生き残るのではない。頭の良いものが生き残るのではない。変化に対応できるものが生き残れるのだ。」という言葉がこの本を読んでいると実感する。
著者は言う。「私達は、現在の地球環境のことしか良く知らない。「今年の夏はおかしい」とか「異常気象だ」などと言ってみたりするが、現在の地球環境が、地球史において典型的なものであるという保証はどこにも無い。現在の温暖化が未曾有のものなのか過去にもしばしば生じた自然変動に類するものなのかは過去の地球環境について理解しないと将来を予測できない。」と言って過去の地球環境をつぶさに解説している。
このあたりは、大変に難解であるが、興味を惹くところでもある。特に現在は地球史の中では「氷河時代」に区分される時代だというのには驚いた。
また、この地球は過去に何度か数百万年にわたり全球凍結と言う想像を絶する気候変動を体験している可能性が高い。零下50度を越す状況で生物は生き残れたのだろうか? 著者も大きな疑問を抱えていたが、過去の地球を調べていくと数千メートルという氷の下の海底火山の熱水中で生物は生き残っていたという証を発見している。
では、地球はそんな過酷な状況をどうやって克服し現在のような地球になって行ったのだろうか? 大気の変化、温暖化プロセス、プレートテクトニクス、太陽の影響、生物進化。さまざまなファクターから衝撃的な仮説が証明されていく。地球に興味がある人にお勧めの1冊である。
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この記事へのコメント
1. Posted by replica hermes kelly May 19, 2014 16:04
て典型的なものであるという保証は
2. Posted by popularité Soutien gorge Pharaonne noir SG2116 July 29, 2014 22:28
三浦尚城的こころ:心のビタミン 読書考2「凍った地球」 - livedoor Blog(ブログ)