July 17, 2006

剣道日誌 番外編「雨ちゃん」2

妙義神社2
今は雨ちゃんを送るより重要な仕事はないというY君と同じ気持ちでお通夜の後、予約をしていた妙義グリーンホテルに泊まり、明日の告別式に参加することにする。
朝起きると曇り空で時折霧雨が降る。晴れていれば妙義山が一望できるホテルであったが、
私たちの気持ちと一緒で空模様は湿りっぱなしである。朝食をゆっくり済ませ、告別式までにはまだ時間があるので、妙義神社へ行こうということになった。雨ちゃんの「玉屋ホテル」は妙義神社と深い関係にあり、料理も「神代料理」を出していた。何度もお世話になりそのたびに妙義神社には参拝をしてきたが、今日は特別である。長い石段と坂道を登り、辿り着いた本殿に雨ちゃんの霊もすでに祭られているのかと思うとあだや疎かに手を合わせられなかった。静かな神殿に向かって手を合せ雨ちゃんのことを考えるとやはり涙がこみ上げてくる。
今日ここに来たという証が欲しくて帰りに社務所でお守りを買った。絵や書の好きなY君も天狗の文鎮を買って下へ降りる。
もう少しこのあたりにいようということになり、すぐ近くの妙義美術館で妙義山の絵を鑑賞することにした。雨の中、静かな美術館にいるお客は私たち二人だけである。1時間ゆっくりいろいろな顔を持つ妙義山の絵を鑑賞して、今日の告別式に参加する剣道部の仲間や妻を迎えに安中駅へ向かう。
雨ちゃんの死を惜しむ人たちが九州や北海道からも駆けつける。出張を途中で切上げて私服のまま駆けつける仲間や剣道関係の先生、先輩や後輩ばかりでなく、旅館組合の先輩後輩など彼の人柄を慕って式場に入りきれない人たちで溢れかえった。とにかく弔辞が6人も続いたのにはびっくりした。それだけ雨ちゃんの死を惜しむ人たちが多いということであろう。
正月は旅館の仕事で忙しいため、雨ちゃんはいつも旧正月近くにはがきをくれる。今年のはがきの消印は2月3日となっていた。気がついていたのかいなかったのか、この時にはすでに彼の体を癌が相当に蝕んでいたはずだ。
君の生きざまはしっかり見届けたよ。

燈々無尽(とうとうむじん)
(前文省略)
火曜日は4時に起きて早朝セミナー、3年目になるのに上達しない書道、頭に入らない英会話。剣道七段に失敗しました。挑戦が始まります。夢をもつことは可能性を信じて努力を惜しまないこと。
「真剣勝負に二本目はない。初太刀一本のみ。人生も二度ない。その精神を日常生活に生かすのが剣道」
燈々無尽。良い教えを人にも伝えていこう。
3月、官営製糸工場の世界遺産登録をめざす富岡市と合併します。新市の迎賓館、妙義の歴史館となるような旅館にしていきたいと思います。
剣道も旅館道も夢をもつ。決して諦めない、52歳の生きざまを見てください。
平成18年立春  妙義道場にて


cpiblog00620 at 12:16│Comments(1)TrackBack(0)clip!剣道 

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この記事へのコメント

1. Posted by rolex replica uk   December 31, 2014 12:56
場の世界遺産登録をめざす富岡市と合併します。新市の迎賓

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