June 11, 2005

会う贅沢1

輪島の次の宿は山中温泉である。
山中温泉といえば大学時代の友人M君の出身地である。彼とはもう15年近く会っていないが、今は加賀市で活躍中との事を聞いていた。
山中温泉に宿泊するのに素通りというのも失礼だと思い、旅行に出かける前に電話をしておいた。旅館名を言うと良く知っている旅館で、友人がつい最近まで働いていたので、融通が利くという。旅館で会って一緒に夕食を食べようということになった。
しかし、われわれはツアーに参加しての能登巡りなので、そこへ友人の夕食を追加してゆっくり出来るものか不安であったが、「まかせとけ」の一言で、旅館での再会を約した。

予定では山中温泉に17時30分くらいには着く予定であったが、途中の白川郷の合掌造りを見学するところで、大渋滞になり1時間以上遅れてしまった。
M君は奥さんと二人で5時過ぎから旅館のロビーで待っていてくれた。
一人で来るかと思っていたが、奥さんと二人で会いに来てくれた。それも地酒を2本ぶら下げて。

大学時代彼は居合道部で、私は剣道部だったこともあるが、それ以上に二人は数少ない中国語専攻の仲間だった。 昭和40年代後半、中国と国交正常化をする前後のことであったが、これからは英語ではなく中国語がわれわれには必要になると、酒を飲みながら議論したものである。(今は英語を学んでおけば良かったと少し後悔をしているが・・・。これについては改めて。)

彼とは良く吉祥寺の「庵」という小料理屋(本当に小さくて10人位でいっぱいであった)で酒を飲んだ。喧嘩も良くした。議論が白熱し激論になると、女将さんに、「お店が壊れるから喧嘩は外でやってね」とよく言われた。その店も今はもう無い。

彼の奥さんと会うのは初めてだ。大学で講座を持っているという先生であるが、気さくで上品な方である。
彼の「まかせとけ」の言葉通り、部屋へ入ると彼らの浴衣も用意してあり、それぞれ一緒に風呂へ入ってから夕食にしようということになった。
私はM君と露天風呂に浸かりながら、お互いの現状を話し合った。
彼の実家は山中塗りの製造・販売をしているが、現在彼は司法書士として事務所を構えて繁盛しているという。

風呂から上がると、ツアー客とは別室にわれわれだけの膳が用意してあり、彼の差し入れの酒を飲みながら、ゆっくりと旧交を温めることが出来た。
M君はこちらの商工会議所の青年部の部長を以前務めていたり、ある仏教の布教活動をしていたりで、週に3日程しか司法書士の仕事は出来ないほど忙しいという。
今回は旅立つ直前の電話であったが、偶然に夜は空いているとの事で、会うことが出来た。
それも奥さんにまで。

金沢・能登に来て旧友に会え、いろいろな話を聞かせてもらった。
私は常々一番の贅沢は人に会うことだと思っている。美味しい物を食べたり、高価な物を身に付けたり、車やヨットを買ったりするよりも人に会うというほうが、余程贅沢なことだと思っている。
今度彼と会うのはいつになるか、お互いに健康で居られるか? 時間やスケジュールが会うか?こんなことを考えるとここで会えたのは、本当に贅沢なことであった。

こういう贅沢はこれからもたびたびさせてもらおう。


cpiblog00620 at 13:01│Comments(0)TrackBack(0)clip!会える贅沢 

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